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ダーティペア



[小 説・アニメ]
 高千穂遙原作でハヤカワから小説が出てアニメにもなっていますが、ダーティペア
にはもう一つ「ダーティペアFLASH」というシリーズが同じ原作者により書かれ
ており、やはりアニメ化されています。しかしながらここではそちらは対象になって
いません。(あまりにキャラ設定に違いが有り過ぎて全く別の作品です)
 さてこの小説の特徴は普通の小説が3人称表現なのに対して、ほぼ完全に主人公
から見た1人称で表現されている事です。つまり主人公が見たり聞いたり調べたり
した事以外は一切書かれていません。
これはアドベンチャーゲームのシナリオを作る上では当たり前の話なのですが、
小説にした場合表現方法が限定されてしまうのでテクニックを要します。

 ダーティペアは「ユリ」と「ケイ」という二人の女性トラブルコンサルタントが
ペアになって宇宙狭しと色々な惑星で難事件を解決する物語なのですが、りっぱな
「ラブリーエンゼル」というコードネームがあるにもかかわらず、惑星や都市が
結果的に崩壊してしまい、人々は彼女達を「ダーティペア」と呼ぶのです。
 小説はケイが主人公になりますが、感情と腕力にまかせたそのまんまの言葉が
文章になっていて、とてもテンポ良く進むと同時に状況説明が感情を伴ってケイの
言葉で説明されるので、難しいSF用語もなんとなく判ったような気にさせてくれ
ます。(あまり難しい話は、ケイ自身が「判らない」と言ってしまうぐらいだ)
 一方アニメの方は原作とは全く異なる話でシリーズ化されていて、こちらは
小説で表現しにくかったメカやアクション性、それにキャラクターがよくできて
います。ですから先にアニメを見て、後から小説を読むとケイの言葉で表現しきれ
ない部分を想像するのに役立つのではないかと思います。


 このダーティペアの小説はハヤカワ文庫JAから出ていますが、お薦めは
「ダーティペアの大乱戦」です。
というのも、同じ原作者が書いた、時代が少し未来になるクラッシャー
ジョウシリーズが朝日ソノラマ文庫から出ているのですが、このシリーズの
別巻「ドルロイの嵐」と表裏一体になっているからです。
 このドルロイの嵐では主人公ジョウの父親の若かりし時代を扱っているのですが、
全く同じ事件を解決するのに、ドルロイの嵐がクラッシャー達を中心にした
普通の三人称の多元表現で描かれているのに対して、ダーティペアの大乱戦では
前述の通りケイ自身が語る一人称表現で描かれているのです。
 またこのダーティペアの大乱戦にはもう一本「そして誰もいなくなった」という
一応後日談になる話が付いているのですが、そこに角川スニーカー文庫から出ている
「神拳 李酔竜」シリーズより、ダーティペアの同僚のトラブルコンサルタント、
コードネーム「トラコンカンフー」の李・酔竜がゲスト出演しているのです。
しかもこの話を原作にしたアニメが株式会社バップからDVDになって出ている
のです。(ダーティペア ORIGINAL VIDEO ANIMATION
SERIES Vol.3)
 小説やシナリオ等を書こうと思っている方は、表現方法という点でこれらの
小説やアニメを読み見比べてみれば絶対参考になると思います。


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