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キャプテンフューチャー



[小 説・アニメ]

 このキャプテンフューチャーシリーズこそ日本の著名なSF作家、アニメ監督、
脚本家等に影響を与えた古典SFの代表作の一つです。
内容は「これぞスペースオペラ」と言っても過言でないほどベタベタの
勧善懲悪な話ですが、今では古い科学考証でありながらワクワクするような冒険の
連発で読者を引きつけます。コムトロニックの作品も多大な影響を受けており、
作品中のいたるところで設定等が劇中設定という形で出てきます。

 日本ではハヤカワのSF文庫でシリーズ化して発売されていましたが、絶版となり
その後一時その中から5作程復刻版が出たものの現在ほとんど入手不可能な状態で
した。
 原作はエドモンドハミルトンで、最初に書かれたのは1940年頃という
事ですから科学考証については現在と全く異なります。
例えば当時本当に信じられていたのかどうかは知りませんが、設定上は太陽系の
各惑星にはそれぞれ人類がいて、小惑星ですら大気があり、宇宙にはエーテルと
言う物質の流れがある事になっています。
冒険順長編小説リスト

 今から約20年前にアニメ化されてNHKの本放送で放映されていたのですが、
さすがにそのままの設定では放映できず、舞台を太陽系から銀河系に移してほぼ
原作のストーリーの流れに沿った形で放映されました。
しかしスペシャル版を除いて本放送から20年以上もの間、一度も再放送されず、
幻のアニメになっていました。アニメ化の1年前には同じ時間枠でNHKは現在
でも度々再放送されている有名な「未来少年コナン」を放映しています。
それが2001年3月から1年間、BS2にて奇跡の再放送がありました。
再放送順アニメ化全タイトル

 そしてアニメーションの製作に関わった東映ビデオよりついにDVD化が決定!
と喜んだものの、版権の関係からか、発売直前になって延期となり発売決定から
数カ月後に正式に中止となってしまいました。
当時のNHKのアニメには版権の管理でかなり複雑なところがあったようです。
前述の未来少年コナンも再放送は何度も行われましたが、オープニングと
エンディングだけは民放で放送する際にカットされ、代わりに歌の無い中途半端な
タイトル画面に差し替えられてしまい、それ以降はそのフィルムの使い回し
状態が続いています。一時総集編のような映画も作られましたが、やはり
歌は別の物に置き換えられて上映されました。
それでも本編だけは何度も再放送された上にLDやビデオ、それにDVDと
発売され、最近は歌付きの再放送もしばしばあるのですから、キャプテン
フューチャーよりは版権が複雑では無かったのでしょう。
ちなみに日本コロンビアより「名作アニメライブラリーシリーズ1
 キャプテンフューチャー」のCDが発売されています。

このDVDに関する記事は追加情報があります。



ところで前述のようにハヤカワSF文庫のキャプテンフューチャーシリーズは
絶版となっていますが、なんと2004年に復刊ドットコムよりキャプテン
フューチャー全11巻の小説の復刊が決定し、1巻につき2話入っていて、
ほぼ毎月1巻づつ発売されました。タイトルの詳細は以下をクリックして
見てもらうとして、その内容については異論があると思われますが、
当サークルの見解としてはハヤカワ版の復刊でありながら完全復刊とも
言えない状況です。
まず表紙絵が全く異なっています。そして挿絵が全くありません。まっ出版社が
異なりしかも年月が経ち過ぎているのですから、それは当たり前と言えば当たり前。
一番問題となるのは復刊と称しておきながら、内容に手が加わっている事です。
その中で一番ショックだったのは冥王星の衛星の名前が全く異なっている事です。
一節によると翻訳者の野田氏が初版当時に誤訳したとも言われていますが、
そもそも惑星や衛星の名前は日本では書籍によって微妙に違うカタカナ表記の
名称が用いられているのが常識です。
冥王星の衛星「カロン」を例にすると、ほぼ誰もがそう読んでいますが、
単語の綴りを調べたら日本惑星協会のホームページでは「カーロン Charon 」と
読んでます。で「カーロン」と読んでいいのなら「ケーロン」でもいいような気も
しますし、「ケーロン」なら「ケエロン」や「ケイロン」でもSF作品上の名称
ならいいような気がします。
それを復刊と称しておきながらわざわざ変えるとは、これでは復刊ではなくて
新装改訂版です。
と、ブツブツ言いながらも毎回2冊づつ買っていた私って?


キヤプテンフューチャー復刊


ところで、ここを読んでいる皆さんは、2010年春から放送されていた
「あそびにいくヨ!」というアニメをご存じでしょうか?
なんとこのアニメの9話「いだいなるさいしょのあしすとろいど?」で、
翻訳者の野田氏が作詩し、小説の「謎の宇宙船強奪団」でアンドロイドの
オットーと共にカンス彗星に向かっていた時にロボットのグラッグが宇宙船
コメット内で歌った、アニメでは超が付くぐらい有名な、あの
「おいらは寂しいスペースマン」が歌われるのです。しかも出演者
総出のカバーバージョンと、普段のエンディングに替えてこの回だけゲスト
主人公であるラウリィ役の茅原実里さんが歌うカバーバージョンが流れました。
もちろんエンディングのスタッフスクロール中には野田氏の名前が出てきます。
なにかお亡くなりになられた野田氏に対するレクイエムの気がしてなりません。
なおこのエンディングは「あそびにいくヨ! オリジナルサウンドトラック 」
(LASA-5062)のボーナストラックに収録されています!
このアニメの劇中にはキャプンテンフューチャーの説明やら、たぶん別の人の
吹き替えであろうと思われるDVD(本物は幻になりましたが)の一瞬の
視聴(映像無し)シーンやら、もうフューチャーファンにとっては涙ものの
連続です。(あそびにいくヨ!のファンの中には逆に不評な意見が多い)
その一瞬の視聴シーンの台詞に「カルシウム」と「硅素化合物」が出て
きますが、この二つと言えば「宇宙囚人船の反乱」ですね。
ところがビデオを見返しても、小説を読んでもよく似た台詞はありますが同じ
台詞が出てきません。恐らく新たに作ったものと推測します。
それからこのゲスト主人公はアシストロイドと呼ばれていますが、キャプンテン
フューチャーでお馴染みのグラッグとオットを足して2で割ったような物で、
女性型です。人間になりたかったオットー達と、人間に似せすぎたアシストロイド
の劇中で語られる不幸な過去の出来事には、スタッフの何か深いメッセージが
ありそうな気がします。
一方このアニメの原作である小説の「あそびにいくヨ!」第9巻「ねこと
みんなのいろいろと」の第二話中の扱いはたったの2行でしかキャプンテン
フューチャーを説明していませんから、アニメ版製作スタッフの拘り、あるいは
再放送から約10年、いまだにDVD化されない怒りのようなものを感じます。



追加情報
時は流れて2016年、ついに待望のメディア化が実現しました。
しかもDVDではなくて、なんとブルーレイディスクの2ボックス仕様です。
VOL.1 1話〜24話(4枚組)+「華麗なる太陽系レース」
VOL.2 25話〜52話(5枚組)
残念ながら画質は放送当時のまんまなので、ブルーレイの高画質ではありません。

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                 BD−BOXパッケージ表


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                 BD−BOXパッケージ裏


そして2016年9月24日のアニマックスHDにて1話〜8話が放送されました。
また続いて10月7日には東映チャンネルにて「華麗なる太陽系レース」が放送
されました。

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          JCOMマガジンより






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